経口GLP-1薬を比較|ファウンダヨ・リベルサス・経口ウゴービの違い
2026/9/7
経口GLP-1薬のファウンダヨ(オルフォルグリプロン)、リベルサス(経口セマグルチド)、経口ウゴービを比較。非ペプチド型と従来型の違い、服用方法、副作用、日本の承認状況を医療エビデンスに基づき解説します。
重要:ファウンダヨ(オルフォルグリプロン)および経口ウゴービは、2026年8月時点で日本では未承認の薬剤です。本記事は情報提供を目的としており、特定の薬剤の使用を推奨するものではありません。
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経口GLP-1薬とは|経口投与が可能なGLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬は、体内で分泌されるインクレチンホルモン「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」の働きを模倣する薬剤です。食欲の抑制や血糖値の調節に関与し、2型糖尿病や肥満症の治療に用いられています1。
従来、GLP-1受容体作動薬の多くは注射剤(皮下注射)として開発されてきました。しかし近年、経口投与が可能な製剤の開発が進み、2026年8月時点では以下の3つの経口GLP-1薬が注目されています。
- ファウンダヨ(オルフォルグリプロン):非ペプチド型、Eli Lilly製
- リベルサス(経口セマグルチド):ペプチド型、Novo Nordisk製
- 経口ウゴービ(経口セマグルチド高用量):ペプチド型、Novo Nordisk製
これらは同じ「経口GLP-1薬」でも、構造・服用方法・承認状況に重要な違いがあります。以下で詳しく比較します。
経口GLP-1薬3剤の比較表|ファウンダヨ・リベルサス・経口ウゴービ
3剤の基本情報を以下の表にまとめます。
| 項目 | ファウンダヨ | リベルサス | 経口ウゴービ |
|---|---|---|---|
| 一般名 | オルフォルグリプロン(orforglipron) | セマグルチド(semaglutide) | セマグルチド(semaglutide)高用量 |
| 製造元 | Eli Lilly | Novo Nordisk | Novo Nordisk |
| 分類 | 非ペプチド型 | ペプチド型 | ペプチド型 |
| 投与頻度 | 1日1回 | 1日1回 | 1日1回 |
| 食事制限 | なし | あり(空腹時服用、30分間飲食不可) | あり(空腹時服用、30分間飲食不可) |
| 吸収促進剤 | 不要 | SNAC使用 | SNAC使用 |
| FDA承認 | 2026年4月(肥満症) | 承認済(2型糖尿病) | 承認済(肥満症) |
| 日本の承認状況 | 未承認 | 承認済(2型糖尿病のみ) | 未承認 |
重要:ファウンダヨおよび経口ウゴービは、2026年8月時点で日本では未承認です。日本国内では処方を受けられません。
ファウンダヨは「非ペプチド型」である点が特徴です。従来のペプチド型経口GLP-1薬(リベルサス・経口ウゴービ)は、胃酸による分解を防ぐため吸収促進剤(SNAC)を必要とします。一方、ファウンダヨは小分子化合物であるため、この制約がありません1。
ファウンダヨ(オルフォルグリプロン)の特徴
ファウンダヨ(Foundayo、一般名:オルフォルグリプロン)は、Eli Lilly社が開発した非ペプチド型経口GLP-1受容体作動薬です。2026年4月1日に米国FDAにより肥満症・体重管理の治療薬として承認されました。
日本では2026年8月時点で未承認であり、国内の医療機関では処方を受けられません。
ファウンダヨの主な特徴は以下の通りです。
- 非ペプチド型小分子化合物:胃酸や消化酵素による分解を受けにくく、吸収促進剤が不要
- 食事・水分制限なし:食事のタイミングを気にせず服用できるとされている
- 1日1回経口投与
なお、心血管および腎アウトカムに関するデータは現時点で得られておらず、長期的な安全性についてはさらなる検証が必要です1。
リベルサス(経口セマグルチド)の特徴
リベルサス(Rybelsus、一般名:セマグルチド)は、Novo Nordisk社が開発した経口GLP-1受容体作動薬です。ペプチド型の製剤であり、吸収促進剤であるSNAC(サルカプロザートナトリウム)を配合することで経口投与を可能にしています2。
日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。肥満症やダイエット目的での使用は適応外使用(自由診療)に該当し、保険は適用されません。
リベルサスの服用には以下の制約があります。
- 空腹時に服用すること(起床時が推奨)
- コップ半分(約120mL)以下の水で服用
- 服用後30分間は飲食・他の薬剤の服用を避ける
これらの制約は、SNACによるセマグルチドの胃からの吸収を最大化するために必要とされています。服用方法を守らないと、薬剤の吸収が低下する可能性があります。
2型糖尿病患者を対象としたネットワークメタアナリシスでは、経口セマグルチドによる体重減少が報告されています3。効果には個人差があり、すべての方に同様の結果が得られるわけではありません。
セマグルチドを有効成分とする製剤では、主な副作用として悪心、嘔吐、下痢などの消化器症状が報告されています4。
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経口ウゴービ(経口セマグルチド高用量)の特徴
経口ウゴービは、Novo Nordisk社が開発した肥満症治療向けの経口セマグルチド高用量製剤です。米国FDAで肥満症治療薬として承認されています。
日本では2026年8月時点で未承認です。 なお、注射剤のウゴービ皮下注は2023年3月27日に日本で肥満症治療薬として製造販売承認を取得し、2023年11月22日に薬価収載、2024年2月22日に発売されました(保険適用には条件があります)。2026年6月19日には、肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の適応が追加されています5。
経口ウゴービはリベルサスと同じくペプチド型の経口セマグルチドですが、肥満症治療に適した高用量が設定されています。服用方法はリベルサスと同様、空腹時に水で服用し、30分間の飲食制限が必要です。
SOUL試験では、経口セマグルチドがプラセボに対して主要心血管イベント(MACE)の有意な減少を示しました。この効果は主に非致死性心筋梗塞の減少によるものとされています。ただし、腎アウトカムについては有意な改善は認められていません1。
注射剤ウゴービ皮下注は日本で承認済みです。保険適用の対象となるのは、高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法で十分な効果が得られず、BMIが27以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する場合、またはBMIが35以上の場合です5。
服用方法の違い|食事制限の有無がポイント
経口GLP-1薬を比較する上で、服用方法の違いは患者さんの日常生活に直接影響する重要なポイントです。
| 項目 | ファウンダヨ | リベルサス・経口ウゴービ |
|---|---|---|
| 服用タイミング | 食事に関係なくいつでも | 空腹時(起床時推奨) |
| 水の量 | 制限なし | 約120mL以下 |
| 服用後の飲食制限 | なし | 30分間飲食不可 |
| 吸収促進剤 | 不要 | SNAC使用 |
ファウンダヨは非ペプチド型の小分子化合物であるため、食事のタイミングや水分量に制限がないとされています1。一方、リベルサスおよび経口ウゴービはペプチド型であり、吸収促進剤SNACの効果を最大化するために服用条件が厳格に定められています。
服用時の制約の少なさは、長期にわたる服薬継続(アドヒアランス)に影響する可能性があると考えられています。ただし、服用方法の簡便さだけで薬剤を選ぶのではなく、有効性・安全性・承認状況もあわせて確認したうえで判断する必要があります。
副作用・安全性の比較
経口GLP-1受容体作動薬に共通する主な副作用は、消化器症状です53。
主な副作用(3剤共通)
- 悪心(吐き気)
- 下痢
- 嘔吐
- 便秘
- 腹痛
これらの症状は特に投与開始初期や増量時に多く見られ、多くの場合は時間の経過とともに軽減するとされています。
重篤な副作用のリスク
以下の重篤な副作用についても報告があります5。
- 急性膵炎:持続的な激しい腹痛がある場合は直ちに医師に連絡してください
- 胆嚢関連事象(胆石症、胆嚢炎)
- 甲状腺髄様癌:動物実験で報告あり(ヒトでの因果関係は不明)
- 低血糖:特に糖尿病治療薬との併用時
禁忌
セマグルチド製剤(リベルサス・経口ウゴービ・ウゴービ皮下注)には禁忌があります。対象となるのは、甲状腺髄様癌の既往歴・家族歴、多発性内分泌腫瘍症2型、本剤の成分に対する過敏症の既往歴などです5。
また、SNAC(吸収促進剤)を使用するペプチド型経口製剤(リベルサス・経口ウゴービ)については、動物実験での報告があります。腸内細菌叢への影響や炎症マーカーの変動が確認されたというものです2。ただし、これはラットを用いた基礎研究であり、ヒトへの直接的な影響については今後の検証が必要です。
いずれの薬剤も、必ず医師の診察・処方のもとで使用してください。自己判断での使用や個人輸入は重大な健康被害を招くおそれがあります。
日本での承認状況と入手可能性(2026年8月時点)
2026年8月時点における、経口GLP-1薬の日本での承認状況を整理します。
| 薬剤 | 日本での承認状況 | 承認適応 | 保険適用 |
|---|---|---|---|
| リベルサス | 承認済 | 2型糖尿病 | あり(2型糖尿病のみ) |
| 経口ウゴービ | 未承認 | ―(FDAでは肥満症) | ― |
| ファウンダヨ | 未承認 | ―(FDAでは肥満症) | ― |
| ウゴービ皮下注(参考・注射剤) | 承認済 | 肥満症/肝硬変を伴わない代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH) | あり(条件あり) |
| ゼップバウンド皮下注(参考・注射剤) | 承認済 | 肥満症/中等症以上の閉塞性睡眠時無呼吸症候群 | あり(条件あり) |
日本で処方可能な経口GLP-1薬はリベルサスのみですが、承認適応は2型糖尿病に限られます。肥満症やダイエット目的でリベルサスの処方を受ける場合は適応外使用(自由診療)となり、保険は適用されません。
日本で肥満症を効能・効果として承認されている医薬品は、注射剤のウゴービ皮下注(セマグルチド)とゼップバウンド皮下注(チルゼパチド)です56。いずれも保険適用には条件があり、ウゴービは高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれか、ゼップバウンドは高血圧・脂質異常症・耐糖能障害(2型糖尿病、耐糖能異常等)のいずれかを有することに加え、BMIが27以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する場合、またはBMIが35以上の場合に限られます。
未承認薬の個人輸入や、医師の処方なしでの使用は、品質・安全性が保証されず、重大な健康被害を招くおそれがあります。 海外で承認されている薬剤であっても、日本で未承認の場合はPMDA(医薬品医療機器総合機構)による審査を経ていないことをご理解ください。
まとめ|経口GLP-1薬の選択は承認状況と医師の判断が重要
本記事では、経口GLP-1薬3剤(ファウンダヨ・リベルサス・経口ウゴービ)の特徴を比較しました。
3剤の要点
- ファウンダヨ:非ペプチド型で食事の影響を受けにくいとされる、FDA承認(2026年4月)、日本未承認
- リベルサス:ペプチド型、日本で2型糖尿病として承認済。空腹時服用・30分の飲食制限あり
- 経口ウゴービ:ペプチド型の高用量セマグルチド、米国FDA承認済、日本未承認
2026年8月時点で日本国内の医療機関で処方可能な経口GLP-1薬はリベルサスのみであり、その承認適応は2型糖尿病に限定されています。
肥満症の治療を希望される場合は、日本で肥満症を効能・効果として承認されている注射剤のウゴービ皮下注(セマグルチド)とゼップバウンド皮下注(チルゼパチド)について、かかりつけ医や専門医にご相談ください(いずれも保険適用には条件があります)。GLP-1受容体作動薬の使用は、必ず医師の診察と処方のもとで行ってください。
よくある質問(FAQ)
ファウンダヨは日本で処方してもらえますか?
2026年8月時点で、ファウンダヨ(オルフォルグリプロン)は日本では未承認のため、国内の医療機関では処方を受けられません。米国FDAでは2026年4月に肥満症治療薬として承認されています。日本での承認時期は未定です。
リベルサスは肥満症・ダイエット目的で処方されますか?
リベルサス(経口セマグルチド)は日本では2型糖尿病の治療薬としてのみ承認されています。肥満症やダイエット目的での使用は適応外使用(自由診療)に該当し、保険は適用されません。安全に使用するためには、必ず医師の診察と処方が必要です。
経口ウゴービと注射剤ウゴービの違いは何ですか?
どちらもセマグルチドを有効成分とするNovo Nordisk製の肥満症治療薬です。注射剤ウゴービ(皮下注)は週1回の皮下注射で、日本では2023年3月27日に肥満症治療薬として製造販売承認を取得し、2023年11月22日に薬価収載されました(保険適用には条件があります)。経口ウゴービは毎日服用する錠剤で、米国FDAでは承認されていますが、日本では2026年8月時点で未承認です5。
経口GLP-1薬の副作用にはどのようなものがありますか?
経口GLP-1受容体作動薬に共通する主な副作用として、悪心(吐き気)、下痢、嘔吐などの消化器症状があります。特に投与開始初期に多く見られます。まれに急性膵炎や胆嚢関連事象などの重篤な副作用が報告されています。服用中に異常を感じた場合は速やかに医師に相談してください5。
ファウンダヨが食事の影響を受けにくいとされる理由は?
ファウンダヨ(オルフォルグリプロン)は非ペプチド型の小分子化合物であるため、胃酸や消化酵素によって分解されにくい構造を持っています。従来のペプチド型経口GLP-1薬(リベルサス等)では、胃での吸収を助けるために吸収促進剤(SNAC)が必要であり、それに伴う服用制限があります。一方、ファウンダヨではそのような制約が不要とされています1。
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免責事項
- 本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、特定の薬剤の使用を推奨するものではありません。
- 薬剤の使用に関しては必ず医師・薬剤師にご相談ください。
- ファウンダヨ(オルフォルグリプロン)および経口ウゴービは、2026年8月時点で日本では未承認の薬剤です。
- 海外の臨床試験データは、日本人を対象としたものではなく、効果や安全性が同様であるとは限りません。
- 本記事の情報は2026年8月時点のものであり、最新の承認状況等は変更される場合があります。
参考文献
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マンジャロ(適応外使用)に関する重要事項
ユアクリで扱うマンジャロ(チルゼパチド)を肥満・ダイエット目的で用いる場合の前提です。
- 痩身(肥満・ダイエット)は国内で承認された効能ではありません(適応外使用)
- 個人輸入ではなく、医師の診察にもとづく国内承認品の個別処方でお渡しします
- 国内には肥満症で承認された医薬品(ウゴービ=セマグルチド、ゼップバウンド=チルゼパチド)が別に存在します
- 諸外国の安全性等の情報は、国内承認薬と同水準に整理されていない場合があります
- 適応外使用のため、医薬品副作用被害救済制度の対象外です
- 主な副作用に吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状があり、低血糖等のリスクもあります。効果や副作用には個人差があり、医師の診察が前提です
参考文献
-
Odeleye V, Singh N, Gautam S, et al. Oral Glucagon-Like Peptide-1 Receptor Agonists for Preventing Cardiorenal Complications. Curr Cardiol Rep. 2026;28(1):38. doi:10.1007/s11886-026-02357-5. PMID: 41870800.(総説)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41870800/ ↩↩↩↩↩↩
-
Ariaee A, Noueihad K, Hunter A, et al. Gut microbiota perturbation and systemic inflammation are associated with salcaprozate sodium (SNAC)-enabled oral semaglutide delivery. J Control Release. 2026;392:114711. doi:10.1016/j.jconrel.2026.114711. PMID: 41672308.(ラットを用いた動物実験)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41672308/ ↩↩
-
Vienghirun J, Sawangjit R, Suttiruksa S, et al. GLP-1 Receptor/Dual Agonists for Weight Loss: A Systematic Review and Network Meta-Analysis of RCTs. Diabetes Obes Metab. 2026;28(6):5043-5057. doi:10.1111/dom.70698. PMID: 41872986.(システマティックレビュー・ネットワークメタアナリシス)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41872986/ ↩↩
-
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社.「オゼンピック皮下注2mg」電子添文(添付文書). 医薬品医療機器総合機構(PMDA)医療用医薬品情報. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2499418G4027_1 (2026年9月23日確認) ↩
-
ノボ ノルディスク ファーマ株式会社.「ウゴービ皮下注 SD」電子添文(添付文書). 医薬品医療機器総合機構(PMDA)医療用医薬品情報. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2499418G5023_1 (2026年9月23日確認) ↩↩↩↩↩↩↩↩
-
田辺ファーマ株式会社. 肥満症治療剤「ゼップバウンド皮下注アテオス」薬価基準収載および発売のお知らせ.(2025年3月19日)https://www.tanabe-pharma.com/ja/news/MTPC250319.html (2026年9月23日確認) ↩